弦楽器の一つとしてのチェロ
どうして、うさぎさんはチェロを選んだの?
ヴァイオリンやコントラバスだって同じ弦楽器でしょ。
うん、実はずっとヴァイオリンを弾きたいと思っていたんだ。
小さいころに、父親がオーケストラが好きでヴァイオリン協奏曲をたくさん聴いたので、「いつかは弾いてみたいなぁ」と。
え、そうなの?!それが何でチェロになったの?
チェロの曲
まず、バッハ作曲の無伴奏が好きだったんだ。
有名な曲だから一度は聴いたことがあるんじゃないかな。
これはチェロのために書かれた曲なのはもちろんなんだけど、チェロが弾くからすごく心にしみわたるんだよね。
低音から高音まで響き渡っていますよね。
そう、チェロの魅力の一つが低音から高音まで出すことのできる「音域」なんだ。
チェロの音域
チェロはピアノの一番低いドから約4オクターブ高い音まで出せる音域をもつんだ。
よ、よんおくたーぶ?
ドレミファソラシが4回続くってことだね。
だから高音部は、ヴァイオリンの音域にも匹敵するんだ。
すごく万能な楽器なんですね。
低音でずっしりした旋律を奏でる楽器と思いきや、高音の華やかな音色も現れるから「ギャップ萌え」だね。
■もっと詳しく知りたい
チェロの音色
そして、これは個人の好みの話になるんだけど、チェロの「音色」が好きなんだ。
でも弦楽器だったら、ヴァイオリンもチェロも音色は同じじゃないの?
ふふふ、実は違うんだよ。
なんていうかな、ヴァイオリンに比べて、音に暖かさや温もりがあるんだ。
よく甘い音色と言われたりするけどね。
以前、テレビでヴァイオリニストの神尾 真由子さんがこんなことをおっしゃっていたんだ。
ヴァイオリンは深い甘い音色というけれど、チェロにはかなわない。
チェロの深く温かい低音のメロディーにはかなわない。ヴァイオリンの魅力は、美しいだけではないところ。ギイギイした、不快直前の音も出せる。
生々しい、感情そのものを音にできる。
確かにそうだなと。誤解を恐れずに言えば、そういえばチェロってどんな弾き方をしても暖かさが音に残るんだよね。
対して、ヴァイオリンは厳しさが表現できる。ピンと張りつめた薄氷のような澄み切った音が出せるんだよね。
チェロは音域・音色共に「人の声に近い楽器」の一つと呼ばれている。
だからホッとするような音色なのかもね。
チェロの形
あとは、チェロが人間みたいだったからかな。
チェロって抱きかかえて弾くから、すごく愛着がわくんだ。
大きさが120 cmくらいで、だいたい小学生の子供と同じくらいってのもあるんだろうけど。
人ですか…。
それと、チェロのほうが年をとっても長く続けられると教えてもらったんだ。
どういうことですか?
ヴァイオリンは楽器を肩に担いで弾くから、年を取って肩が上がらなくなったら弾けないよ、と笑
チェロは左も右も肩を上げる必要はないから、長く付き合えるよと。
でも、ご高齢でもヴァイオリンを弾いている人はたくさんいるから、話半分で聞いてね。
始める理由は人それぞれ
周りのチェロ仲間の始めた理由は人それぞれ。
- 音色やたたずまいに一目ぼれしたから。
- ヴァイオリンをやろうとオーケストラ部に入ったら満員御礼で、チェロになってしまった。
- 親がやっていて、面白そうだったから。
- 兄がヴァイオリンをやっていたので、自分はチェロをやろうと思った。(親にやらされた。)