【ビブラート】私は、この動画のおかげでビブラートをかけられるようになりました(経験談)
ポイント
  • ビブラートができない、ビブラート(ヴィブラート)は難しい?
  • 自分も「なんちゃってビブラート」でした
  • 私は、この動画を見てビブラートができるようになりました
  • 動画から、重要なコツをピックアップしてご紹介します
  • ビブラートはいつから? ⇒ビブラートのエクササイズ(筋トレ)は、チェロを始めたら、すぐにやりましょう!

【1】ビブラートについて

<難しい?>

チェロが少し弾けるようになると、かけてみたくなるのが「ビブラート」。
しかし、「音程が安定しないうちはかけてはいけない」とか「あなたにはまだ早いから」といって、教えてもらえないというのをよく聞きます。

私も、先生からビブラートを教えてもらいましたが、
「力を抜いて、腕全体でかける、手首でかけないこと、こんな感じ。」と見せてもらうだけでした。

わずか5分。

え、それだけですか!

見よう見まねでやってみましたが、ビブラートはできませんでした。

<色々試してみました>

ネットで検索したり、本を読んだりしてみました。

一般的に言われていることは、以下のようなことです。

    • ヒジを支点にして、腕を振ってかける
    • 手首でかけるののはダメ
    • とにかく脱力
    • 低音側にかける
    • 押さえる指を寝かせる

しかし、言葉だけではうまくイメージがつかめず、「なんちゃってビブラート」で過ごしていました。

そんな私が、この動画おかげでビブラートをかけられるようになりました。

 

【2】私がお世話になった動画を13個のポイントでご紹介

Abigail(アビゲイル)さんのYoutubeチャンネル

 

チャンネル登録数は現在1.42万人と、一度はご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Abigailさん(以下、アビさん)は、アメリカの音楽大学(イーストマン音楽学校大学)の博士号取得候補者の傍ら、ロチェスター州でチェロレッスンなどの先生をされています。
Youtubeチャンネルには、ビブラート以外にもチェロの弾き方について丁寧に解説されています。

 

ビブラートの動画について

さて、アビさんのビブラートの動画は全14本です。
ビブラートの「紹介」が1本、残りの13本はビブラートをきれいにかけるための「エクササイズ(筋トレ)」です。

■“Introduction to Vibrato”(ビブラートの紹介)
この動画では、ビブラートのかけ方について説明してくれます。
ビブラートを左・正面・右と見せてくれるので、とてもイメージがつきやすいです。

■”Vibrato exercise 1~13 “(13個のエクササイズ)
いわば「ビブラート」をかけるための「筋トレメニュー」です。
やはりビブラートの動作は日常生活に少ないので、筋トレが必要となります。
筋トレの記事は下記にまとめました。

 

今回、紹介する動画は、「“Introduction to Vibrato”(ビブラートの紹介)」です。
私は、この動画を見て、ビブラートの誤解を解き、コツをつかむことができました。
そして、足りない部分をエクササイズを見て筋トレしました。

9分と長い動画になっていますので、以下にポイントとなる部分と頭出しをしました。

ビブラートの13個のポイントをまとめました

  ①ヒジを支点に腕を振る

「ヒジ」を支点に「腕」を振ってかけるのが正しいビブラートと説明している。
(ビブラートのかけ方は色々あるので、先生の指導に従ってほしいという説明の上で)

ドアノブをひねるような「手首を回転させる動き」はNG。

 

  ②ビブラートは低音側にかける

「低音側」にかける。(糸巻き側へ倒す。)

「高音側」にかけるのはNG。(駒側に倒すのはNG。)

 

  ③押さえる指は脱力しバネのように

指は「脱力」「バネ」のように「伸縮」させる。

強く抑えたりガチガチに固定してしまうのはNG。

 

  ④ヒジはほどんど動かない

「ヒジ」は、ほとんど「動かない」

ワキを開け閉めしたり、ヒジを大きく上げ下げするのはNG。

 

  ⑤手首は使わない(1)

「高音側」に、「手首をひねって」かけるのはNG。

 

  ⑥左側から見てみる

「ヒジ」の位置は「わずかに上下」するぐらいで動かないことがわかる。

ヒジが「大きく」動いてしまうのはNG。

 

  ⑦手首は使わない(2)

あらためて、「手首を回転」させるのはNG

 

  ⑧右側から見てみる

指を「寝かせ」、指先ではなく「腹」で押さえる。

指を「立てたまま」、指「先」で押さえるのはNG。
※基礎ではこれが正しいと習う。

 

  ⑨親指の位置はどこでもいい

初心者のころは親指は「2の指の後ろ」に置くが、ビブラートは「押さえる指(1/2/3/4)によって親指の位置は「変わる」。
ビブラートを「かけやすい位置」にずらしてよい。
親指を「一緒にスライドさせていい」「固定する必要はない」

親指を「2の指の後ろ」に置いたままにしている。
※基礎ではこれが正しいと習う。

 

  ⑩小指(4)のビブラートは3、4同時に

3と4を「同時に」押さえてもよい。(As a team)
また、同様に薬指(3)の指は中指(2)も補助的に使って良いし、人差し指(1)は2の指を重ねてかけてもよいとしています。

 

  ⑪ビブラートを正面から

指が「脱力」し、「伸び縮み」している状態を目指す
ただし、伸び縮みさせることが目的ではなく、結果として伸び縮みする状態がよい。

 

  ⑫ビブラートのイメージはインパルス

「バネが復元する」感じ(スプリングバック)、「衝撃」(インパルス)や、「ボールがバウンド」するイメージ。
Down-Up(ダンナップ)と、ダウンした反動ですぐさまアップがバウンドしてくるイメージ。

Down「間をおいて」Up=「ダウン、アップ」のリズムはNG。

 

  ⑬大切なことは深呼吸とリラックス

「深呼吸」しながらやる。とにかく「脱力」しリラックスしてかける。

 

 

【3】この動画を見て、私が誤解していた4つのこと

アビさんの動画を見て、自分がビブラートを誤解していたことに気づきました。
その理由は、基礎とまったく違うことをしなければならないことです。
ですので、基礎を練習しているさなかの初心者に、ビブラートを教えたくない理由もなんとなくわかりました。
また、ビブラートは単にかければいいというものではなく、曲を「歌う」センスも磨くことも重要であることが分かりました。

①「指の脱力」を確認した後、ヒジを支点に腕を振って、ビブラートをかける

そもそもですが、「ヒジを支点に腕を振る」って、意味不明でした。

「ヒジを固定」し「弦を指で固定」していたら、2点拘束で腕が振れるわけがありません。
これで頑張って「フン!フン!」やっていたんです。

じゃあ、この状態で「腕を振れるようにする」方法は、と考えると「指を脱力」するしかない。
動画でも指は脱力されてグニャグニャしています。

なるほど、そういうことか!と動画を見てわかりました。

そうなんです。初心者の頃は弦は「力の限り」全力で押さえていました。
しかし、しばらくすると「あれ、弦を押さえる指って、そんなに力要らないじゃん」ということに気づくのです。

この「脱力の状態で弦を押さえられる」ようにならないと、ビブラートはできないと気づきました。
これが、初心者のうちにはビブラート教えてもらえない謎の答えの一つかもしれません。

ですので、「指を脱力して弦を押さえられる状態」があって、初めて腕が振れるのだと気づきました。

②指は寝かせていい

え、基礎では指は弦の上から置くって習ったのに…。卵みたいに握るんじゃないの??と思っていました。

でも、確かに寝かせたほうがビブラートかけやすいんです。
その理由は、2つあると思っています。

・指の「先」ではなく面積の広い「腹」を使い、弦の長さをより多く変えることができる
ビブラートは、弦の長さを変えることで発生する周波数を変えています。
この変化量が多いほうが、ビブラートがかかっていると感じやすいです。
つまり、指に触れている弦の長さを増やしたほうが、ビブラートがかかるということです。
ですので、指を寝かせて腹を使うことで接触面積を増やしているのではと考えています。

・ビブラートは低音側にかけるので、低音側に寝かせておいたほうがかけやすい
 指を立てておくとビブラートが高音側(駒側)にかかりやすくなってしまいます。
しかし、寝かせることで低音側にかけやすくなります。

つまり、「弦の上にまっすぐ指を置こう」という基礎が、ビブラートの場合は崩壊します。
これが、音程の安定しない初心者のうちにはビブラート教えてもらえない謎の答えの一つかもしれません。

③親指の位置は「どこでもいい」&押さえていない指は「外す」

え、基礎では2の指の後ろにかるくそえるだけって習ったのに…。

アビさんの動画を見ると「親指はかけやすければ、どこにあってもいい」という感じです。

そして、押さえていない指は「外す」ということ。
基礎では4の指で音を出すときに「1~3」も押さえるように習いますが、
ビブラートの場合は、4だけ、もしくは3/4で押さえることになります。

ここでも基礎が崩壊します。

④初心者はビブラートかけてはいけないが、「エクササイズ(筋トレ)」はチェロを始めたらすぐにやるべき

ビブラートはいつから始めればよいのかというと、初心者はダメという話をよく聞きます。
「ビブラートは上手くなってから」「音程が安定していない初心者はかけちゃダメ」「まずはボウイングで良い音色を作ること」と言われます。
ですので、初心者にビブラートを教えてくれることは少ないです。
また、ビブラートは基礎で習ったことと矛盾することから、初心者にビブラートをかけさせたくない気持ちがわかりました。

しかし、「ビブラートをかけちゃいけない」だけであって、ビブラートをかける「エクササイズ(筋トレ)」は、禁止されていません。

むしろ、チェロを始めたら「ビブラートのエクササイズ(筋トレ)」は、すぐにやったほうがいいというのが私の考えです。
なぜかというと、「指の脱力」は上達することで習得できますが、この「ヒジを固定して腕を振る動き」というのは日常生活に少なく、
チェロを普通に練習しているだけでは身につきません。

アビさんの10本のエクササイズを見ながら、筋トレしましょう。
私は、テニスボールを使ったトレーニングがお気に入りです。

妻の一言

妻

テニスボールをチェロに擦り付けて、気でも狂ったと思っていたけど、ビブラートの練習だったんだね。


うさぎ

シャカシャカ!
Thank you very much, Abigail(アビさん)! I love you!!