以前、チェロで重要なのは練習する「時間」と「場所」の確保が重要と投稿しました。
では、その練習で心がけたいコトについて、私の15年の経験から共有させていただきたいと思います。
- 上達へ欠かせないのはフィードバックや振り返りの機会を増やすこと
- そのためには、練習の録音ではなく録「画」がおススメ
フィードバックはチェロの上達に欠かせないもの
本格的にチェロのレッスンが始まると、先生から多くのダメ出しーフィードバックを受けることが多くなります。
フィードバックはチェロの上達には欠かせないもの、というのは以前に投稿しました。
一言で言えば、「フィードバックなくして成長はない」という当たり前のことが、
この15年を通じて痛感し、改めて大切だと気づいたことです。
ですから、レッスンも貴重なフィードバックをもらうためにレッスン料を払っている、といっても過言ではありません。
ですが、レッスンに行っているだけでは上達しません。個人練習が重要となります。
『え、レッスンは練習する場所ではないの??』で投稿したように、「個人練習」の質によって、上達のスピードが大きく変わります。
質を上げるには「フィードバックを得ること」ですが、第三者がいない個人練習でどうフィードバックを受けたらよいのかについて、
私の経験をご紹介できればと思います。
こまめな振り返り
近年、いろいろな企業で取り入れられているアジャイルやリーンという仕事のやり方があります。
そのエッセンスの一つが、「ちょっとやって、振り返る」を繰り返していくというものです。
ある製品の開発で例えてみると、
昔は、全部組み立ててからお客様に提供していました。簡単にいうと、完成するまではお客様には見せません。
一気に開発ができる一方で、お客様が意図しない製品になってしまうと、大きな後戻りが発生してしまいます。
これに対して、アジャイルやリーンは、要所要所でお客様のところに持っていきお客様のコメントー「フィードバック」をもらい、修正していきモノを作っていきます。
この手法によって、大きな後戻りが減り、結果として質の良い製品が短期間でできるという手法になります。
多品種でありながら少量しか生産しない現代に合っている手法です。
少し話がずれてしまったのですが、この製品のようにチェロを練習し上達するのは「こまめな振り返り」をすることがとても大事だなぁと、最近とても痛感しています。
少し曲を弾いてみて、「自分の現状を知り」それを修正していくを細かく回していくということです。
どうやって振り返るの?
振り返りをするにあたり、必要になるのが「現状の自分」を知ることです。
現状の自分を知る方法として、
レッスンであれば第三者である先生が見て、演奏会であれば、第三者の来場者の方からフィードバックを受けることはできます。
つまり、第三者が客観的に現状の自分を見てくれます。
では、第三者がいない「個人練習」ではどうすればよいのかというと、お気づきの通り「録音」です。
自分の演奏を録音して、練習後に聞いて振り替える、という方法です。
昔はICレコーダーを買う必要がありましたが、今はスマートフォンで簡単に録音できるので、一度は録音した人も多いのではないでしょうか。
聴くに堪えない録音
しかし、録音すると、まぁひどいんです。
「え、こんなに下手くそなの!?」と、半日は落ち込みます。
音程がひどいのはもちろんなのですが、音色までガサガサしていたりして…。
これが私のチェロの音色なの…と絶望し、
「もう二度と録音なんてしない!」と思って、録音を敬遠していまいがちです。
私もそうでした。
それ、録音機材が悪いのかも?
ただ、録音機材を変えるだけで、だいぶ聴ける音になります。
スマートフォンやICレコーダーの多くは、「通話・音声用」のマイクですから、音楽の録音には不向きです。
だから「音楽用」のレコーダーを使えばいいのです。
音楽用のレコーダーというと、TASCAMなどが有名です。だいたい1万円ぐらいからあります。
さらに、再生するときは、いいイヤフォンやスピーカーで聴くことをおススメします。
間違っても、スマートフォンやICレコーダーのしょぼいスピーカーでは聴いてはいけません。
これで、だいぶ聴けるようになります。
最近は録「画」しています
で、私が使っているのは何かというと、これです。
iPhoneの端子に接続できる外付けマイクです。
これで録音すると、自分が弾いているとき聴いている音、生音に近いのでショックを受けにくいです。
そして、何より、これとスマホがあればよい録音ができるので、外出時も荷物がかさばりません!
もう一つのポイントが、スマートフォンで「ビデオ撮影ー録画」にも使えるのです。
つまり、いい音で録「画」できるということです。
つまり、「自撮り」です。
えぇ、とても恥ずかしいです。録音以上に恥ずかしいです。
しかも、再生するとひどいんですよ。
何がひどいって。
「顔」が。
すごい険しい顔して弾いているんです。
眉間にしわが寄ったり、口をへの字にしていたり…。
でも、一曲撮ってみると、自分の苦手なところが一目瞭然になります。
「指が回っていないとか」「力が入りすぎ」「弓の量が多すぎる」「姿勢が悪い」といった、弾いているときにはわかりづらいことが、簡単にわかります。
録画がフィードバックになる
もうお気づきかと思うのですが、録画することであたかもダメ出ししてくれる先生が「その場」にいるんです。
これは、個人練習でとても役に立っています。
私自身、スマホで録「画」するようになってから、上達のスピードが上がりました。
特に右手のボウイングについて、動画を撮るを気づくことが多いです。
ビデオカメラが高価だった昔に比べると、現代はとても恵まれています。
これらのツールをうまく活用すれば、チェロも難しい楽器ではなくなってくると思います。
こぼれ話~身内に音楽経験者がいると上達しやすい~
家族に音楽をやられている方がいると、その人の聞こえるところで個人練習すれば有効なフィードバックをもらうことができます。
とても恵まれた環境です。身内なので、ズバズバ行ってくれますし笑
持つべき人はダメ出ししてくれる家族です。