【発表会】やっちまった…。

私の通っているチェロ教室では年に2回の発表会があります。
先日、発表会が“無事”に終わりましたので、その振り返りをします。
振り返りは、自分だけでなく、妻やお弟子さんからの感想やフィードバックも貴重な情報になります。

やっちまった…。

前半の部分で、「ピアノとズレてしまう」というまさかの事態…。
何とかリカバリーでき、落ちることはなかったのですが、まさかあんなところでズレてしまうとは…。

なぜ?ズレた原因がわからず。
演奏後にピアノの方も「なんでだろ?」な状態。

 

こういう時は、録「画」を見るのが一番です。
早速見てみると…。

 

ええ、ばっちり映っていましたよ。

 

「ドヤ顔して八分休符すっ飛ばしたチェロ弾き」が、ね。

 

ぎゃーーーーーーー!!

 

ええ、10対0でわたくしが原因でした。そう、ドライブレコーダーは真実を語ります。

速攻でピアノの方に「土下座」しました。
しかも2回もやらかしているという…。本当にすみませんでした。

 

妻からのフィードバック

妻と2歳児(演奏中は爆睡)が来てくれました。
演奏後にさっそく感想を聞いてみることにしました。

 

開口一番言われたのは、

妻

あんたちゃんと弾いてたの??
ぜんぜん音が聴こえなかったんだけど。

 

 

は、い??

 

 

妻

後半は音が出てきたと思ったら、案の定ピアノがメロディのところ思いっきりチェロが邪魔してるし

 

はぐぁ…。

このように、身内はズバズバとダメ出し、ではなくフィードバックをくれます。
以前の投稿で書いたように、内に音楽経験者がいると的確なフィードバックをいただけて、上達が早いので大変助かります。

しかし、この「音が出ていない問題」について、妻はかなり深刻に受け止めたようで、

妻

引っ越してから、家で生チェロ弾けなくなっちゃったから、それが原因なのかなと心配になった

そうなのです、実は、昨年に引っ越したアパートでは生チェロを弾けません。
そのため、サイレントチェロで練習することになり、それが悪影響なのではと妻が心配し始めたのです。

とは言え、「カラオケに行って生チェロは弾いている」のでそんなことはないと言おうとしたら、

 

 

 

妻

チェロ弾けるように、「一軒家」、買おうか?

 

 

は、い??
なぜそうなる??うちにはそんなお金はないのだよ。

とは言え、音が出ていない問題については原因と対策を考えなくてはなりません。

音が出ていない問題について

<原因と思われるものを列挙してみる>
①【環境】今回の会場は練習室がないので準備運動なし。いきなり本番となるため、序盤にエンジンがかからない。
②【弾き方】やっぱり、音の響かせ方がまだまだ
②【楽器】そういえば弦を変えていなかった
④【楽器】そういえば弓の毛替えをしていなかった
⑤【楽器】そういえば楽器の調整していなかった
<対応>
①は、朝起きてすぐにチェロを弾いてみるとか、「準備運動しないでいきなり100%の実力が出せる」状態を作れるように検討しようと思います。
②は、ボウイングなどを改めて振り返ってみたいと思います。音圧測定でもしてみようかな。
③~⑤は、すべて楽器のせいにしていますね笑。そういえば、弦も弓の毛も交換してから1年以上経ってしまっていることを忘れていました。

お弟子さんからのフィードバック

お弟子さんとは休憩中や打ち上げで交流することができ、いろいろなフィードバックをいただけます。

■Aさん

Aさん

テンポ早かったね!プロ並みの早さだったね!
でも、今回の曲は入りがピアノだから、ピアノが早くしちゃったんでしょ?

テンポについては、この早さで弾こうと2人で決めていました。
なので、このフィードバックから読み取れるのは、「結構、無理して弾いていたよね」ということです。

つまり、聴き手に「早かった」と感じさせる演奏になってしまっていたのです。
チェロの「いっぱいいっぱい感」、つまり、「焦っている感」が伝わってしまったのです。

早いテンポでも余裕のある演奏ができるようにならなければと思いました。

■Bさん

Aさん

これまで、あまり上手いと思っていなかったが、ここ数回の発表会でうまいと感じるようになった。


これは言われたときに本当にびっくりしました。
そうなのです、ここ数回の発表会は、いままでと心持ちを変えて挑戦しています。
それが、聴き手に伝わっていたことが、とてもうれしかったです。
「楽しんで弾くこと」に加え、今回はさらに「弾けるテンポに落とすのではなく、演奏・音楽性を保つこと優先したテンポに挑戦する」と決めていたからです。
弾けること=うまい、ではないことを改めて感じました。

■Cさん

Aさん

ピアノとチェロの掛け合いが聴こえてきてとても良かった。どうやったらできるの?

これが一番うれしかったです!!
今回は、ピアノの方と「共創」を目指して弾きました。
それが、聴き手にも伝わっていたことが、とてもうれしかったです。
ピアノの方とお近づきになろう作戦が実を結びました!

自分のフィードバック;KPTで振り返る

個人の振り返りは、アジャイルの振り返りで使われるKPT;ケプト;(Keep/Problem/Try)でまとめていきたいと思います。
・Keepは、よい取り組みだったので今後も続けること
・Problemは、今回の問題について
・Tryは、次回に挑戦することです。

KEEP~良い取り組みだったので、今後も続けること~

■音楽に真剣に向き合う
これまでは時間がないとか理由にしていましたが、音楽と向き合う時間をしっかり作っていきたいと思います。
このセリフ、のだめカンタービレでミルヒーことシュトレーゼマンがのだめに伝える言葉ですね。

■楽しく弾く!
これも継続です。

■緊張対策
・昼休みにステージで練習し、音の出方や客席の見え方などになれておく
・家族に来てもらう
家族が来たほうが緊張するのですが、最近は家族が見えると安心します。
テニスも観客席にファミリー席が用意され、そこに家族が集められます。
精神的な支えとして絶大な効果を持つためです。
・笑う、にやにやする
あんまりやりすぎると、変な人に思われるので気を付けたほうがいいですが、
笑うことで脱力ができたり、緊張がほぐれます。
テニスの選手もサービスを打つ前に、口角を上げて笑うことで脱力してサーブする人がいます。
・奥歯をかみしめない、むしろ口を開ける
これも脱力の一つですが、知らず知らずのうちに奥歯をかみしめてしまい、力が入ります。
力が入ると、しなやかさが失われ早いパッセージが弾けなくなります。
むしろ口は半開き、開けるくらいを意識すると良いと思います。
・自分の好きな小節・メロディを一つ以上もっておく
ここは絶対に魅力的に弾きたい!というところを持っておくだけで、ポジティブになります。
苦手なところをあえて、好きなメロディにしてしまうと、気持ちがだいぶ楽です。

■ロバスト性を高める練習をする
今回のように、8分休符をすっ飛ばして弾いてズレてしまっても、リカバリーできる練習に取り組む。
例えば、頭の中でメロディを続行させる力、ピアノを聞く力、あえて間違えて弾きリカバリーする力などに取り組みたいと思います。

■ピアノ伴奏の方と共創を意識する
ピアノの方とお近づきになろう作戦の第一弾が成功したので、次は「共創」のステップに上がれるように色々と作戦を練ろうと思います。

■発表会の位置づけを再確認する
失敗を恐れずにどんどん挑戦する場として活用する。”発表会も一つの通過点”。ここのミスを次にしっかりフィードバックする。安全に弾こうとするのは絶対ダメ。

■テンポ
・設定したテンポ+10早く練習しておく
そうすることで、どんなテンポでも来ても焦らずに弾けるようになる(GPでは始まったピアノが「早い、ヤバい」と焦っていたが、それよりも速いテンポで練習しておけば余裕が出て問題なし。)
・目標テンポを決めたら、それを下回らないように努力する。弾けるテンポに落とせばいいという甘えは捨てる。自分の弱点を明確にできるし、克服できるいいチャンス
・音楽的に「上手い」と思わせるテンポは存在する。

■その他
結婚指輪は右手につける
→左手のフィンガリングが軽くなったような、気がする。

Problem~今回、問題になったこと~

①まさかの拍を数え間違えてピアノとずれてしまい迷惑をかけてしまった
【なぜ?何が起こったの?どうするの?】
<発生事象>
すみません、数えるのをすっかり忘れて乗りで入ってしまいました。

<原因>
もともと数えずにピアノのメロディを聴いて入っていました。本番は、緊張+走り始めたため、早く入ってしまいました。

<対策>
・油断せず、数える
・数えないのであれば、休符にメロディを充てて歌うことで数える

②早く細かいパッセージが弾けない
【なぜ?何が起こったの?どうするの?】
<発生事象>
早く細かいパッセージの音が出ない・弾けていない

<原因>
練習でもできておらず、個人練習の気づきでもあった左手「3,4」の筋力不足。

<対策>
・3,4を鍛える基礎練習に取り組む。
・早いテンポでも指が回るような基礎練習に取り組む

③ピアノの方が楽しんで弾けていなかった
【なぜ?何が起こったの?どうするの?】
<発生事象>
自由気ままに弾きすぎるチェロに、必死に合わせてくださっていた(妻より)

<原因>
・チェロが自由気ままに弾きすぎていたり、自分の能力がまだまだピアノの方に負担をかけている。
・合わせの回数が少ないことが、ピアノの方に負担をかけている。

<対策>
・理想は、ピアノを気遣えるぐらいの余裕が持てる演奏をする。
・合わせの回数を増やす。
妻と相談してレッスンの機会を増やそうかな…。
あとは、夏の演奏会は合宿もあるので、ピアノの方に無理を押してお願いして参加していただくとか…。

Try~次回の演奏会に向けて~

■歌えるようにする
弓の使い方を再考、ダイナミクス、ビブラートの練習

■基礎練習
今回弾けなかった早いパッセージを反復練習&筋トレ

■音を大きく出せるようにする
ボウイングの見直し、弦や弓の毛替え、楽器の調整

■ハイポジションをパラパラ取れるようにする
ハイポジ+早いパッセージの基礎練習に取り組む

今日の妻の一言

妻

「なにがすごいってね、チェロじゃなくて、ピアノの方々だからね。好き勝手に弾くチェロにこれだけ合わせられるって本当にすごいし、もっと感謝しなさいよ」

うさぎ

はい…。